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コアコンディショニング シンポジウム2003開催される
〜基調講演・事例報告 前編〜

2003年11月2日(日) 目黒雅叙園にて、「コアコンディショニング シンポジウム 2003」(主催:JCCA(日本コアコンシディショニング協会))が開催されました。
業界内外から約200名の参加があり、その注目ぶりが伺えた、このシンポジウム。
コアコンディショニングの成果と展望というテーマで、
医療やフィットネス現場からの基調講演・事例報告が発表されました。
●ご挨拶・・・斎藤明義先生(駿河台日本大学病院 健康スポーツクリニック室長)●
突然いらしゃられた先生に、JCCA岩崎会長も事務局も驚きと感謝の気持ちで、身が引き締まったそうです。参加者の中にも驚かれている方も・・。
斉藤先生は、岩崎会長からコアコンディショニングについて、1年半も前から聞いていらして、奥様もコアコンディショニングされているそうです。身をもって、その効果を実感されているわけですね。
●「呼吸機能(の低下・改善)と音声・嚥下(えんげ)との関係」●
   
九州保健福祉大学 保健化学科 言語聴覚療法学科助教授   苅安 誠 先生

1.呼吸と
音声・嚥下との関係、呼吸機能の低下が音声・嚥下にどのような影響を与えるか。
 呼吸(換気)と同じ構造物を共有する機能として、音声生成と嚥下(えんげ:飲み込みの事)があり、
 また、それらには呼吸が欠かせないものなのである。
 呼吸機能は、呼吸器疾患、運動障害、姿勢の問題などにより低下することがある。低下すると音声
 は、声量低下、短く途切れがちな発語、のどを詰めたような声質などの異常が起こることがある。


2.パーキンソン病の症例において、呼吸機能の改善への取り組みが音声にいかなる変化をもたらすのか。
 以下の治療(主に受動的治療)に、ストレッチポール(以下SP)をつかったコアコンディショニング(以下C.C)を取り入れてみたところ、実際に音声も流していたが、コアコンディショニング後は、大きく強く声が出ているのが参加者にも分かった。これは、簡単に言えば、CCによって姿勢が改善され、音声生成・発語に必要な呼吸が十分行えるようになった為であると考えられる。

<音声言語機能の治療方法>
*能動的治療法:声を強く出すことで、発話明瞭度を高める
*受動的治療法:姿勢を矯正する事で、換気時の肺容量を高位にし、発語時の十分な肺内圧を数秒間持続可能にする治療法

※インストラクターのように大きな声を出しながらの運動指導は、咽喉をいためる可能性が高い。姿勢の改善や、毎日の身体のリセット作業が、健康な声づくりに大いに役立ちそうだ。

●デモンストレーション「座位で行うコアコンディショニングエクササイズ」●
JCCAマスタートレーナー (尾陰・大山・安藤・漆崎・山下・井門・梅本・村上)
 
エンヤの曲にのせて、インストラクター8名が登場!デモンストレーション中にちょとしたハプニングもありましたが・・・ハーフカットを使った解りやすいエクササイズ指導に、参加者も楽しみながら体験していました。
※なんと、参加者全員にお土産として、ストレッチポール「ハーフカット」が配られたのです!(画像右下)太っ腹ですねえ〜。
 座位によるハーフカットエクササイズ内容はこちら

コアコンディショニング前後には、「セルフモニタリング(画像右上)」を行い、各部位(首や腰など)の可動を確認します。今回は、腰の動きが楽になった(広がった)方が多かったようでした。

デモンストレーションを見た、JCCA会長 岩崎氏は「フィットネス現場でのコアコンディショニングは、想像以上の発展を遂げている!!」と、驚きと感動の声をあげていました。ポールを一度に大勢の方に指導できるのは、やはりフィットネスインストラクターのなせる「技」なのでしょう。
皆さんも、CGI(コンディショニンググループインストラクター)のセミナーを受けて、指導の幅を広げてみませんか?
 セミナー日程・詳細はこちら

●「パーキンソン病患者に対するコアコンディショニングの効果」●
   古賀総合病院 理学療法士 渡辺 なおみ 先生

昨年より、体幹の機能低下があるさまざまな患者に対し、SPをを使用したC.Cを行い、立ち上がり動作や歩行動作の向上を感じていた。
そこで今回、パーキンソン病(PD)患者に対し、SP介入による歩行スピードと胸郭拡張差の変化を調べ、SP介入の効果を検討した。

対象:PD患者7名
方法:SPに側方から介助にてのり、上下肢を楽に伸ばした状態で5分間安静。この間3回深呼
    吸を促した。介入頻度は2回/週、1日おきに2週間にわたり実施。介入の前後に10m
    歩行スピードと胸郭の拡張差を評価した。
結果:歩行スピードにについては、10m歩行可能な5名が行い、1名有意な向上が認められた
    
。他4名は、向上傾向にあるもののばらつきが大きく、介入後低下することもあった。
    胸郭拡張差においては、全症例に有意な向上が認められ、1回目と4回目の平均を
    比較しても約2倍に向上している。
まとめ:PD患者にとって四肢はもちろんのこと、頚部・体幹・胸郭の可動性改善は重要であるが、胸部・股関節の伸張やリラクゼー
    ションはうつ伏せにになるなど、セルフで行うには困難なものがほとんどでした。
    SP介入により、胸郭拡張差の有意な向上が認められ、しかも、SP上で深呼吸をするという簡単な方法であったことから、
    「簡単かつ確実に体幹の機能改善を図れる方法として有用である」と考えられる。
 
後編へ続く