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「JAPANESE FITNESS」日本発のフィットネスプログラムやオリジナルエクササイズを追及する人々をご紹介します!

■第4回(2008.8)■

「マタニティビクス」
〜 マタニティライフをきめ細やかにサポートして27年! 〜



◇PART1◇

妊娠中だからこそお産に向けて必要な運動がある・・・その効果は妊婦さんから圧倒的な支持と信頼が証明!

 

日本(人)が開発したプログラムをご紹介する「ジャパニーズフィットネス」。第 4 回は、日本女性のマタニティライフを支え続け、ますます注目のプログラム「マタニティビクス」と、同プログラムをはじめ、女性の為の運動を研究・普及されている日本マタニティビクス協会チーフディレクターの小林香織さんにお話を伺いました。

マタニティビクスとは


G(編集G):まず最初に、マタニティビクスとはどんなプログラムか教えていただけますか?

K(小林香織さん):マタニティビクスは、妊娠中でも安心して楽しめる、妊婦さんのためのエアロビクスです。大きなおなかでもできるようにデザインされ、また臨床データで安全性と効果が実証されています。日本マタニティビクス協会(以下、MB協会)の資格を持ったインストラクターが、安全を確認しながらエクササイズをすすめるので、運動経験がなくても安心してご参加いただけます。

G:マタニティビクス目的は、やはり体重のコントロールがメインですか?

K:それも、目的の1つでもあります。大きく分けると3つの目的があり、まず、妊娠中を快適に過ごせるようにするため。特に、普段から運動されている方は、安静に・・・というほうがむしろストレスが溜まってしまいますよね。次に、お産が楽になるようにするため。お産に必要な筋肉をエクササイズしますし、体力も自然とついていきます。最後に、産後に向けての準備をするためです。

G:妊婦さんがエアロビクスしている姿が、実際に見るまでは想像できませんでしたが、かなり皆さん楽しそうに行っていますよね。普通のレッスンと特に違う点はありますか?

K: 大きく違うのは、マタニティのプログラムを指導する場合、レッスンごとにメディカルチェックが必要だと言うことでしょうか。短期間で大きく変化する妊婦さんへの指導ではこれは必須でので 、 レッスン前は医療資格者がチェックを行います。また、レッスン中はインストラクターが声をかけながら無理のない範囲で運動出来ているかをチェックしていきます。心拍数のコントロールはもちろんですが、お腹の張りなどがある場合はペースダウンをして様子を見てもらったり、エクササイズによってはその動きをストップすることもあります。

G:なるほど。「きつかったらお休みして〜」ではなく、インストラクターが状態を確認して指導されるのですね。だから今まで事故もなく、妊婦さんからの信頼も厚いプログラムになったのですね。


マタニティビクスが生まれたきっかっけ


G:このマタニティビクスは、現MB協会会長で田中ウィメンズクリニック院長の田中康弘先生が始められた、と伺っています。お医者様がエアロビクスを推薦する・・・というのも当時は珍しかったのではないですか?
K:そうでしょうね。まだ私がMB協会に入る前でしたが、周囲のお医者様には随分止められたと聞いています。妊婦体操というのが当時もあったようなのですが、局所的なエクササイズだったので、もっと全身の血流を良くするものが必要だという発想で、走る、ジャズダンスなどいろいろ試して、エアロビクスにたどりついたそうです。実は、男性第一号エアロビクスインストラクターだともいわれているんですよ。
G:第一号!?そうなんですか!かなり、最先端を行くお医者様なのですね(笑)。
K: はい。それぞれの専門分野の医師達と協同で、運動中の安全性や有効性、また長期的に、縦断的に妊婦さんのデータをとってきました。これらがマタニティビクスだけでなく、協会のマタニティヨガやマタニティアクアの原点にもなっています。

  • マタニティについて誰も何も知らなかった!

  • G:小林さんがマタニティビクスに興味をもったきっかけは?
    K:私がまだインストラクターなりたての20代の頃、お客様から「妊娠したけど続けていいですか?」と質問を受けたんです。支配人や上司に聞いたりもしたのですが、当時は男性社員がほとんどで、「だめ!」か「いいよ〜」のどちらかで・・どちらも根拠がないのです(笑)インストラクターも若い女性ばかりでしたので、妊娠したら身体がどうなるのかも良くわかっていませんでした。なぜか、妊娠→スイミングへという不思議な流れになっていたりもして・・・・。
    G:それで勉強しようと思われたのですね。
    K:はい。勉強してみて、「今までとまったく同じ運動はできない」と思いました。目には見えない、身体の内側で起こっている変化に対して、「大丈夫・大丈夫」とは思えなかったんです。施設も準備も何も整っていない状態では、安心して運動させられないとも思いました。
    G:それで、MB協会さんでは、登録施設制度を設けて安全性を高めているのですね。
    K:ええ。妊婦さんはもちろんのこと、施設もインストラクターも安心してプログラムに取り組めるよう、バックアップをしています。おかげさまで、最近では、フィットネスクラブの登録も増え、医療施設なども合わせると全国で約520ヶ所でマタニティビクスなどが実施されるようになりました。
  • インストラクターの思考をCHANGE!

  • G:小林さんは、現在、全国各地で講習会やワークショップなどをされていますね。かなりこの資格を取るのは難しいと、インストラクター達の間では評判なんですが・・・(笑)。
    K:それは、たぶん、今まで培ってきた「解釈」といましょうか、フィットネスでのルールから、頭を切り替えるのに苦労をされているのかと思います。
    G:例えば、どんなことですか?
    K:例えば、首の動きをわざとつけて動きを行ったり・・・エアロビクスではDON’Tといわれているような動きも、もちろん、コントロールしてですが、目的があって行っています。また、先ほどもメディカルチェックなどを見ていただいたように、運動の効果を出すことの前に、母体と胎児の安全を第一に考えて指導をしますので、優先事項が違うんですね。
    G:なるほど。思考をCHANGEしないといけない部分が、難しいという表現で出てくるのかもしれませんね。今、会員様はどれくらいいらっしゃるのですか?
    K:現在、2500人ほどです。フィットネスインストラクターだけでなく、助産師、医者、保母さんなど、様々な職種の方が、講習会を受講後、指導をされています。ここ20年間は、一人でも多くの「健康な妊婦を増やしたい」との思いから、指導者育成に力を注いできました。
    G:指導者が増えることが大切ですものね。インストラクター意外の方も講習会に参加されているそうですが、実技指導などの経験があまりないので、かなり大変なのではないですか?
    K:以前は、確かにそうでした。特に実技の練習がかなり必要でした。しかし、最近では、なぜかインストラクターなのに、小さく動く方が増えています。妊婦さんの運動効果を引き出そうとしたら、インストラクターはかなり大きくのびのびと動いて見せる必要があるので・・・。
    G:それは、全体的にいえることかもしれません。インストラクターが100%動いて、お客様は60%くらいの運動量になりますものね。見せて動かす基本を再確認する必要があるのかも知れません・・・。

  • 次回は、最近の妊婦さんの傾向、受講者の声、インストラクターへのアドバイスなども伺います。
■マタニティビクスについてのお問合せ・実施場所・講習会情報こちら■

日本マタニティビクス協会:http://www.mb-kyokai.com/
M&Bクラブ(小林さんが「インストラクターの独り言」コラムを執筆中):http://www.mb-club.jp/
マタニティ&ベビーフェスタ2008の模様はこちら:http://www.mb-kyokai.com/mbf2008/index.html