■第9回(2009.1)■
「Y-Conditioning(ワイ・コンディショニング)」
〜 目指すは1億総セルフコンディショナー?! 〜
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日本(人)が開発したプログラムをご紹介する「ジャパニーズフィットネス」。
第9回は、真の健康とは何かを追求し続け、体調を整えること(コンディショニング)の大切さを世の中に広めるべく、コンディショニング施設のプロデュースや執筆、メディア出演などでも精力的な活動を行っている、「Y-Conditioning(ワイ・コンディショニング)」開発者、有吉与志恵さんに2度目のご登場を頂きました。
啓蒙活動としての執筆
G:昨年は3冊も本を出版されていますが、忙しい中、どう時間をやりくりされているのですか?
Y:ほんとうに、自分でも超人だ(笑)と思えるときがあるのですが、本を出すということは、夢の1つでもあったので、なんとか執筆する時間を生み出していました。とにかく集中してダーっと書くのが、元短距離走者の私らしいかもしれません。
G:『40歳からの肉体改造』(ちくま新書)は3万部を突破し、出版社の方も驚かれたそうですが、本を出してから、何か変わったことはありますか?
Y:実際に、遠方からも読者の方が、プロデュースしているコンディショニング施設「健屋(すこやかや)」や「CLEVA(クレバ)」に足を運んで、コンディショニングを体験してくださいました。もちろん、会員様になられた方もいらっしゃいます。
G:amazonなどの書評もお読みになっていますか?
Y:はい。見ず知らずの方から、客観的なご意見が伺えるのは、とても貴重な体験でした。amazon以外にも、ご自身のブログなどで、本の感想や実際にセルフコンディショニングして体調が良くなったなどの感想を書いてくださる方も多く、書いて良かったな〜というのが率直な感想です。
G:本を書くということは、トレーナーの有吉さんにとってはどんな意味がありますか?
Y:私自身、本を読むことが好きですし、忙しくても自分の好きな時間に読むことができるのが本の良いところだと思います。直接お会いできない方にも、ご自身のカラダを大切にしてほしいという思いとその具体的な方法をお伝えできる・・・本はまるで自分の分身のような感覚でしょうか。
▽有吉与志恵さんの著作はこちら
40歳からの肉体改造 〜 頑張らないトレーニング 〜
コアシェイプ〜1日10分の簡単エクササイズで体の内側からきれいにヤセる!〜
アスリートのためのコアトレ2〜必ず強くなるセルフコンディショニング〜
アスリートのためのコアトレ〜100のエクササイズ12の処方箋〜
プロフェッショナルなトレーナーとは
G:有吉さんが思う「プロフェッショナルなトレーナー」とは何ですか?
Y:技術や知識を常に磨いていくことを怠らないのは当然のこととして、その人の在り方として“とにかくとことん相手の立場に立ってサポート出来る”トレーナーだと思います。特に、スポーツ選手の場合には、体力的なことと同様に精神的なサポートも必要になってきます。シンプルなことですが、自分が相手の状況だったらどうして欲しいかを常に意識し、それを元にサポートしていくことが大切だと思います。
G:シンプルなことですけど、意外とそれが難しいときもありますよね。ほんとうに、縁の下の力持ちというか、おかみさんというか・・・頼れる存在になるということですね。トレーナーというと、男性のイメージが強かったのですが、最近では女性のトレーナーも増えてきたのでしょうか?
Y:そうですね。以前は、ほとんどの女性はグループエクササイズ指導者になっていましたが、パーソナルトレーニングの需要が増えたこともあってか、トレーナーを目指す方も増えてきています。コンディショニングトレーナー養成スクールでも男女比は半々ぐらいでしょうか。
G:コンディショニングトレーナーは女性に向いている職業だと思いますか?
Y:男女問わず、心から人々を健康にする仕事をしたいと思う方なら誰でも向いていると思います。女性は、出産・閉経などカラダに変化が生じる宿命にあり、そのことが頭でなく体験でわかっていたりという点では、女性のクライアントをサポートしやすいかもしれません。
G:ということは、年齢も関係なくトレーナーになることは可能だと?
Y:もちろんです。子育てがひと段落した主婦の方や、長年グループエクササイズ指導をされていた方、第二の人生としてトレーナーを目指す方や、もちろん学校を卒業したばかりの方も、トレーナになりたいという熱意があれば年齢は関係ありません。そして、決意したときから、トレーナーとしてのキャリアが始まっていくのです。
高齢者からアスリートまで
G:Y-Conditioningは、高齢者からプロアスリートまでという幅広い層で好まれているそうですが、実施することがかなり違っているのでしょうか?
Y:コンディショニングの基本のメニューはほぼ同じです。人間のカラダは、基本の骨格や筋肉は同じようについていますから。もちろん、スポーツ実施の有無や、生活習慣によって体型や筋肉の質などは変わりますが、前編でもお伝えした通り、筋肉の過緊張を取り除くということは、アスリートにも一般の方にも必要なファーストステップです。大きな違いが出てくるのは、後半のアクティブコンディショニングですね。
G:アクティブコンディショニングとは、いわゆる強化トレーニングですか?
Y:Y-Conditioningでは筋肉の再教育と言っています。強化というよりは、筋バランスを整えると共に、しなやかな弾力のある筋肉と、効率よく動けるカラダを目指していきます。例えば、高齢者なら、まずしっかりと安定した歩きを作る脚のコンディショニング、そして、余暇も楽しめるカラダを目指してメニューを組みます。アスリートなら、競技会や試合で緊張しても硬くなりづらい筋肉や、心に落ち着きを取り戻せるような安定した体幹を目指します。その方の、日常の調子が良くなるためのカラダを作っていくんです。
G:日常生活も改善されていく・・・まさに改善系のトレーニングなのですね。
Y-Conditioningのこれから
G:最後になりましたが、Y-Conditioningの今後の取り組みについて教えてください。
Y:はい。転勤で東京を離れてしまう会員様や、東京以外にお住まいの方からは、全国各地に健屋などのコンディショニングサロンをつくって欲しいというご要望を、本気で頂いています。そして、私も、日本をこのコンディショニングで元気にしたい!という思いがあります。そのためには、まず、一人でも多くの誠意と熱意あふれるコンディショニングトレーナーを育成し、その実現に向けて一歩一歩、着実に進んで行くのみです。
G:決意をしかと受取りました(笑)。今後のコンディショニングトレーナーの活躍にも期待しています。ありがとうございました。
Y:ありがとうございました。
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